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東京

 

塗り直されたペンキの色に似合う新しい親子

表札の変わった家 砂場に綴られた影絵

第七公園に咲く緑の数は変わらないけれど

一番懐かしいこの場所に緑はもう殆ど無い

 

最寄駅前のベンチで 手を伸ばし掴もうとした

あの日の太陽はもう、いない

 

帰り道 線路沿い 宇都宮線が走っていく

行き先を眺めながら 親友とタムロした場所

 

小学校のとき 和式トイレの練習したドラッグストア

今 この場所には 人気のカフェができていた

 

新しいもので塗り潰されていく記憶

みんなどうせ忘れていく たいして大切にもできずに

 

 

大好きだったあの子も 今じゃ髪の毛を染めて

タバコや酒を覚えているのかな

会いたくはないな、

幼い頃 きっとみんな持っていたものがある

今では踏み込む勇気すら亡くしてしまった

 

 

変わってゆく  変わってゆく

 

 

根拠の無い自信 間違えて泣いて 泣いては怒って

みんなどうせ思い出せない たいして大切にもできず

いつかはヒーローになれるんだって

ずっとずっと信じていた

希望を失くした大人に 成長の輝きは訪れない

 

 

もしも選ばれていたら 輝きはずっと胸の中

足りない自分自身 認めたなら、歩ける?

 

やりたいことやればいい 好きなように生きりゃいい

"東京"という言い訳は

この地で脱ぎ去ってゆけばいいのかな

 

 

幼子を抱えてる 暖かい腕の中に

もう一度 只、もう一度

強く包まれて眠れたなら